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April 17, 2005

ジェネシス三部作

世間一般では初期ジェネシス(Genesis)の『侵入(Trespass)』『怪奇骨董音楽箱(Nursery Cryme)』『フォックストロット(Foxtrot)』を「三部作」とは呼ばないんだそうです。私はずーっとそう思っていたんですけどね(笑)。『ジェネシス・ライヴ(Genesis Live)』を聴いた後は絶対にこの3作品を買うしかないと思いました。当時の最新アルバムはたしか『そして3人が残った(And There were Three)』でしたが。

この3枚の中で、最初に買ったのはたしか『フォックストロット』だったと思います。『ジェネシス・ライヴ』のライナーに、大作「サパーズ・レディ(Supper's Ready)」を収録していないことが惜しまれると書かれていて、ちょっと変な言い方ですが、耳がダンボなっていました(笑)。それと当時はLPでしたから、見開きジャケットにこだわっていて、ちょうどそれが見付かったので飛び付きました。ただ『フォックストロット』の内ジャケットはあまり大したデザインじゃなかったんですけどね・・・表は前の2作のジャケットを飲み込むようなスケールの大きい風景が描かれているのに。1曲目の「ウォッチャー・オブ・ザ・スカイズ(Watcher Of The Skies)」は、とくにイントロのメロトロン(Mellotron)が『ライヴ』に比べて臨場感が無く、いきなり幻滅・・・以降の部分の演奏も何となくスカスカと軽い印象で、どうしてこうも違うんだろうと首をかしげました。3曲目の「ゲッテム・アウト・バイ・フライデイ(Get'em Out By Friday)」も同様の印象です。「サパーズ・レディ」もこの調子だったらどうしようなんて心配になってきましたが、この曲だけは他の5曲とはまったく雰囲気が違っていました。全体的に音が分厚く、クリアで、生き生きしているように聞こえたんです。まるで他の曲が、これを引き立てるためにあるんじゃないかっていう気がするくらいの驚きでした。

次に聴いたのが『怪奇骨董音楽箱』です。1曲目の「ミュージカル・ボックス(The Musical Box)」と3曲目の「ジャイアント・ホッグウィード(The Return Of The Giant Hogweed)」は、やはり『ライヴ』での演奏に比べて、スムーズさと重厚な音に欠けるという印象でした。非常に高い演奏技術を要求される曲だというのは分かるんですけどね。このアルバムから加入した、スティーヴ・ハケット(Steve Hackett:ギター)とフィル・コリンズ(Phil Collins:ドラムス)が、まだ上手く連携しきれていなかったのかもしれません。それでもラスト曲「サルマシスの泉(The Fountain Of Salmacis)」は、結構引き締まった良い音を出しています。

『侵入』はこれら3枚の中で一番期待が薄かったにもかかわらず、音的には良かったと思います。とくに「ナイフ(The Knife)」は『ライヴ』でも演奏されている重要な曲ですが、スタジオ録音の別テイクとして、特に気になる部分も無く、素直に聴けるものだったという印象です。小曲を多く収録したファースト・アルバムから一転して大作志向になり、演奏能力の限界を感じた末、アンソニー・フィリップス(Anthony Phillips:ギター)とジョン・メイヒュー(John Mayhew:ドラムス)の交代になったのではないかと想像しています。逆に、このメンバでの最高のパフォーマンスだったとも言えます。

彼らの曲のほどんどは、きっとトニー・バンクス(Tony Banks:キーボード)とマイク・ラザフォード(Michael Rutherford:ベース)が曲調を発案し、ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)が詩を付け、スティーヴ・ハケットとフィル・コリンズが「劇的なサウンド展開」と呼ばれるアレンジのアイデアを出すといった感じだったんじゃないでしょうか。それはバンクスとラザフォードが最後まで残ったのを考えれば、容易に想像出来ますね。3人になった後、曲の展開が単調になり、ポップになったのはそういうことだと思います。

ちゃんと詩を読んでいないので定かではないのですが、これら三部作から受ける印象は、『侵入』は権力風刺、『怪奇骨董音楽箱』は対人関係の苦悩、『フォックストロット』は前2作で表現したことからの逃避を表現していたように思えます。歌詞を見ると曲によっては会話のようになっていてビックリ。演劇的な要素があるというのは、こういうところが根拠だったんだとLPを買ってみて再認識しました。

ジャケットはいずれもポール・ホワイトヘッド(Paul Whitehead)が担当しており、彼のホームページで原画?を参照することが出来ます。驚くほど綺麗ですよ。

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