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June 13, 2005

美声のカリスマ

ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター(Van Der Graaf Generator)ってカッコ良い、何となく気になる名前だな・・・というのが当時中学生だった私の最初の印象だった。そして最初に聴いたのがヤング・ジョッキーのプログレベスト20でかかった「Wondering」。その曲がそういうタイトルで、かつ非常に上品で端正なブリティッシュロックだ・・・ということに気付いたのはそれからかなり後になってからである。実はその曲をレコードで聴きたくなって、とにかくその曲が収録されていそうなアルバムを片っ端から買い始めたのだが、なかなか出会えず、6枚目に買った『ワールド・レコード(World Record)』でやっと聴くことが出来た。

最初に買ったのは当時フォノグラムの1500円シリーズだった『精神交遊(The Least We Can Do Is Wave To Each Other)』である。これは70年にリリースされたセカンドアルバムだ。「Wondering」はきっとこのアルバムに収録されているだろうと思って買ったのだが・・・見事に外れた(笑)。ただ、このアルバムには「Wondering」に勝るとも劣らない名曲がぎっしり詰まっていて、テープにダビングしながらヘッドフォンで聴いていて、ため息の連続だった。とくにラスト曲の『洪水の後で(After The Flood)』はこのアルバムの黙示録的な雰囲気を象徴する大曲である。

彼らの特徴は、インパクトの強いヴォーカル、ヘヴィネスと崇高さが同居するキーボードワーク、激しくブローするサックス、端正で正確なドラムスを中心とした、無類のブリティッシュロックといったところだろうか。ちなみに、キーボード奏者のヒュー・バントン(Hugh Banton)は相当なイクイップメントマニアだったらしく、派手な楽器購入をしたり、ツアー中の火事で全機材焼失したりで、何度もバンドの経済状況を危機に陥れていたらしい。

しかしこのバンドを一気に有名にしたのは、オープニングに「キラー(Killer)」を擁する、次作『核融合(H To He Who Am The Only One)』だろうと思う。前作と同じ70年リリース。この『核融合』という邦題はCDリリースの際に、なぜか『天地創造』に改められた。どうやらジャケットアートを担当したポール・ホワイトヘッド(Paul Whitehead)の原画タイトルが「バースデー(Birthday)」だったこと、CDの発売元がヴァージンに変更になったことが原因ではないかと思われる。また、このアルバムにはキング・クリムゾン(King Crimson)のロバート・フリップ(Robert Fripp)がギター演奏で参加しているという点も話題を呼んだ一因だろう。サウンドの方は前作よりもかなりすっきりしていて、一般リスナーに受け入れられ易いものなっている。このことは彼らの熱狂的ファンからすれば、魅力喪失以外の何物でもないのだが・・・ジェネシスで言えば、あの濃厚な『ライヴ』の後の『月影の騎士』のようなものだ(笑)。

さて、一般には彼らの最高作と言われているのが、続く『ポーン・ハーツ(Pawn Hearts)』であるのは間違いない。71年リリース。このアルバムを発表後に二度目の解散をしていることから、かなり煮詰まった状態になったことが伺える。前作に続いて、フリップが参加。『精神交遊』では全面的に参加していたベーシストのニック・ポッター(Nick Potter)が、前作の『核融合』では約半分の曲だけ演奏し、この『ポーン・ハーツ』では参加していない。代わりにキーボードのヒュー・バントンがベース・ギターやベース・ペダルを担当している。ベース奏者が居なくなったからかどうか分からないが、曲構成が前作よりも混沌としてフリーな演奏が目立つ。そのせいで、曲のつかみが曖昧になり、何度聴いても耳に残らない曲ばかりだ(と言っても収録は3曲のみだが・・・)。やはり最初に聴いた『精神交遊』のインパクトが強過ぎたようだ。

彼らの代表作というと、上記にあげた三作品ということになってしまう。これらは86年に『First Generation』としてまとめられ、今でも手に入れることが出来る。同様に再々結成後『Godbluff』『The Quiet Zone / The Pleasure Dome』までの四作品をまとめた『Second Generation』もある。どちらも選曲ものであり、カップリングではない。『First Generation』は、重要曲「ホワイト・ハンマー(White Hammer)」や「洪水の後で」が収録されておらず、今ひとつだが・・・なぜかアルバム未収録の「Theme One」が入っており、これから彼らのCDを買おうとしている人にとっては微妙な存在だ。

彼らのアルバムは、現在邦盤が手に入りにくい状態にあるかもしれないが、ブリティッシュロック好きなリスナーには是非一度聴いてみてもらいたいものだ。

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