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July 07, 2005

優しい巨人

ジェントル・ジャイアント(Gentle Giant)も、高校生の頃の1500円シリーズがきっかけで聴くようになったバンドだ。たしか、『ジェントル・ジャイアント』と『スリー・フレンズ(Three Friends)』が廉価で売られていて、ファースト・アルバムのジャケットを恐る恐る裏返すと、ライナーノーツを読めるようになっていた。まず目に入ったのが、彼らに触発されてイタリアでPFM(Premiata Forneria Marconi)が結成されたと書かれていたこと。まだその頃はPFMがどんなバンドなのかは知らなくて、イタリアン・プログレの凄いバンドくらいの認識だった。そんなバンドの結成を促す程のロック・ミュージックって、一体どんなものなのかというのが気になって、これは聴くしかないと聴く前からどんどん気持ちが盛り上がっていった。当時は新たに興味あるロック・バンドを見つける度に、そんな感じで盛り上がっていて、聴く前からそのサウンドを想像していた。

ファースト・アルバムの1曲目「ジャイアント(Giant)」は、キング・クリムゾン(King Crimson)の「21世紀の精神異常者(21st Century Schizoid Man)」ほどのインパクトは無いものの、彼らの決意を表明したような曲だ。この曲に漂う雰囲気でサイモン・デュプリー&ザ・ビッグ・サウンド(Simon Dupree And The Big Sound)から、ジェントル・ジャイアント結成までの経緯を感じ取ることが出来るだろう。彼らは「スタジオでもステージでも同様に炸裂する、自分たちから始まる、自分たちにしか演奏出来ないサウンドの達成」つまり、完全にオリジナルなサウンドを目論んだのである。

ジェントル・ジャイアント結成の経緯は、レコードに付いているライナーを読んだ人ならよくご存知のはず。シャルマン三兄弟が王立音楽院で作曲の学位をとったという(それだけでモノ凄いことらしい)ケリー・ミネア(Kerry Minnear)と偶然出会い、ギタリストのオーディションで唯一他の楽器のチューニングを要求したゲイリー・グリーン(Gary Green)を採用して結成に至った。ただしドラマーが決まらず、結成時点ではマーチン・スミス(Martin Smith)というセッションドラマーだった。この6人編成でファーストアルバムとセカンドアルバム『アクワイアリング・ザ・テイスト(Acquiring The Taste)』を制作している。その後サードアルバム『スリー・フレンズ』で正式ドラマー、マルコム・モルチモア(Malcolm Mortimore)を採用したが、事故により脱退。次作『オクトパス(Octpus)』で怪物ドラマー、ジョン・ウェザーズ(John Weathers)が加入し、やっと定着した。ところが、5作目『イン・ナ・グラス・ハウス(In A Glass House)』では主に管楽器を担当していたフィル・シャルマン(Phil Shulman)が脱退してしまう・・・ということで以降は、デレク・シャルマン(Derek Shulman)、レイ・シャルマン(Ray Shulman)、ケリー・ミネア、ゲイリー・グリーン、ジョン・ウェザーズの5人が不動のメンバとして活動することになる。最近になって数多く発掘されているライヴ音源のほとんどは、この5人で演奏されているものである。マーチン・スミスやマルコム・モルチモアが参加しているライヴ音源は、一度もお目にかかったことが無い。きっとブートで出回っているのだろう。

彼らの音楽は一言で言えば「玄人受けするロック・ミュージック」ということになるだろう。つまり我々のようなロックリスナーよりも、ロック・ミュージシャンにファンが多いということである。「英国一無名のロックバンド」という皮肉さえ生まれたほどだ。しかし、彼らの音楽は別にクラシックように気難しいわけではなく、よく聴いてみれば個々のメロディにしろ歌詞にしろ親しみ易いものが多い。それらが複雑なリズムや曲構成を伴うために、第一印象としてつかみ所が少ないという印象を持たれるのであろう。とくにファーストアルバムからサードアルバムまでにその傾向が強い。ジョン・ウェザーズが加入した4作目以降から、徐々に複雑な曲でありながらも洗練されたイメージになってきて、6作目『パワー・アンド・グローリー(Power And Glory)』の頃にはアメリカでも多くのファンをつかんだようだ。

彼らの演奏風景は最近発売されたDVDで見ることが出来る。おそらく、レイ・シャルマンやケリー・ミネアのマルチプレーヤーぶりには驚嘆するだろう(笑)。

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