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October 17, 2005

フレンチロックの典型──アトール

これまでのアーティスト紹介では、ゴング(Gong)を除くとユーロピアンロック勢は初登場になる。まあゴングをユーロピアンロックの文脈で語る人はほとんど居ないと思うが・・・ということで、アトール(Atoll)について書いてみる。

特に何のこだわりもなく「フレンチロックのお薦めって何?」って聞かれたら、間違いなくアトールをお薦めする。「どのアルバムが良い?」って聞かれたら、間違いなくセカンドアルバム『夢魔(L'Araignee-Mal)』をお薦めする(笑)。このアルバムを聴いて失望する人はほとんど居ないだろう。きっと、「そうそう!以前からこんなサウンドが聴きたかったんだよ」という期待のうちの何割かが満たされるのではないだろうか。フランスのイエスだとか、ジョン・アンダーソン以上のクリアヴォイスなんていう、ありふれたキャッチコピーはどうでも良い。このバンドのサウンドは明らかにフレンチロックの典型だ。

彼らは文末にジャケットを表示している4枚のアルバムを発表している。その後も、ギタリストのChristian Beyaを中心に活動しているようだが、ここでは話題にしない。ファーストアルバム『ミュージシャン・マジシャン(Musiciens-Magiciens)』とセカンドアルバム『夢魔』で自分たちの主張を追求し、サードアルバムの『Tertio』で洗練されたサウンドに変貌する。サードアルバムの1曲目「パリは燃えているか(Paris c'est Fini)」を聴くと、吹っ切れたようにテンションが落ちているのが分かるだろう。フォースアルバム『ロック・パズル(Rock Puzzle)』ではさらに・・・

『ロック・パズル』発表後にAndre Balzer(vo)、Christian Beya(g)、Jean-Luc Thillot(b)の3名が相次いで脱退してしまい解散状態に追い込まれるが、なんと!ジョン・ウェットンとギタリスト1名を加えた構成でリハーサル(?)を行っている。その模様は最近発売されている『ロック・パズル』のボーナストラックに収められているようだ(残念ながら私が持っているCDには未収録)。

彼らのサウンドは、Andre Balzerのフランス語のヴォーカルをはじめとして、強靭なリズムセクション、ハイテクニックなキーボードとギターによって、シンフォニックなジャズ・ロックになっている・・・これはちょっと変な言い回しかもしれないが、単純にシンフォニック・ロックというにはあまりにもテクニカルな演奏だ。このあたりは同じくフレンチのアンジュ(Ange)と比較するとよく分かるに違いない。中でもセカンドアルバムの『夢魔』は、全編どの曲も演奏も文句の付けようが無いくらい美しく、力強く、カッコ良い。フレンチ・ロック史上稀に見る名盤と呼んで良いはずだ。

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