今月買ったCD(05年11月)
■Kraan / Live 88
クラーン(?)というドイツのジャズ・ロック・バンドの88年のライヴ。ファーストアルバムのレコーディングが72年だったことを考えると、かなり息の長い活動をしているバンドと言える。サウンドの方はいかにもドイツ人らしいというか・・・納得がいくまで演奏技術を追求したという感と、楽天的な雰囲気が強い。デビュー当時のアルバムも聞いてみたいものだ。ジャケット・アートがフランク・ザッパ(Frank Zappa)で、中身はブランドX(Brand X)が遊んでいるような演奏・・・とも言える(笑)。
■Fusioon / Minorisa
これはスペインのジャズ・ロック・バンド、フシオーンが75年に発表したサードアルバムで、彼らの最高傑作ということになっているらしいが本当か?セカンド・アルバム以降、大作指向または組曲指向になってきており、本作ではアルバム片面曲と他2曲という構成になっている。演奏スタイルはギター、キーボード、ベースがドラムスの指揮の下に、次々と短めのパートを演奏し、大きな曲に展開していくといった感じだ。欲を言えば、ベースがもっと派手なトーンで暴れて良いのではないかという気がする。
■Elton Dean's Ninesense / Live At The BBC
60年代末期から70年代初頭にかけて、キース・ティペット・グループ(Keith Tippett Group)、ソフト・マシーン(Soft Machine)で活動し、その後ソロ活動に入ったエルトン・ディーンが結成した九重奏団のBBCでのライヴ。トランペット、トロンボーン、サックスがそれぞれ2名にピアノ、ベース、ドラムスの構成である。トランペットとトロンボーンの奏者がひとりずつ入れ替わった2チームにより、75年と78年にレコーディングされているようだ。トランペットには、モンゲジ・フェザ(Mongezi Feza)、ハリー・ベケット(Harry Beckett)、マーク・チャリグ(Marc Charig)、トロンボーンには、ラドゥ・マルファッチ(Radu Malfatti)、ポール・ニーマン(Paul Nieman)、ニック・エヴァンス(Nick Evans)、サックスにはエルトン・ディーン、アラン・スキッドモア(Alan Skidmore)、ピアノがキース・ティペット、ベースがハリー・ミラー(Harry Miller)、ドラムスがルイス・モホロ(Louis Moholo)である。なんとなく、キース・ティペット・グループのホーン奏者と彼の完全即興ソロ作に起用したリズム・セクションを合体させたような編成であり、アヴァンギャルドでビッグバンド風の演奏や、マイク・ウェストブルック(Mike Westbrook)がやりそうな緊張感のあるジャズ・ロックが同居したライヴ・アルバムになっている。
■Mike Gibbs Band / Just Ahead
マイケル・ギブスが72年の5月から6月にかけて、ロニー・スコット・クラブで行った15人のビッグバンド編成によるライヴである。彼自身はコンダクターであり、楽器は演奏していない。メンバは他のアルバムでもお馴染みの面々だが、一応紹介すると・・・トランペットがケニー・ホィーラー(Ken Wheeler)、ヘンリー・ローサー(Henry Lowther)、ハリー・ベケット(Harry Beckett)、トロンボーンがクリス・パイン(Chris Pyne)、マルコム・グリフィズ(Malcolm Griffiths)、ジェフ・パーキンス(Geoff Perkins)、サックスがレイ・ウォーレイ(Ray Warleigh)、スタン・サルツマン(Stan Sulzmann)、アラン・スキッドモア(Alan Skidmore)、ピアノがデイヴ・マクラエ(Dave MacRae)、ジョン・テイラー(John Taylor)、ギターがクリス・スペディング(Chris Spedding)、ベースがロイ・バビントン(Roy Babbington)、ドラムスがジョン・マーシャル(John Marshall)、パーカッションがフランク・リコティ(Frank Ricotti)である。8人のホーン奏者が非常にリラックスしたムードを作り出し、その中でスペディングやマクラエ等が洒落たソロを弾くといった感じの演奏を繰り広げている。疲れた体を包み込んでくれるようなサウンドだ。
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