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March 12, 2007

社内SNSって?

最近はミクシィをはじめ、インタネット上のいろんなところでSNSが利用できるようになってきている。それならば、会社内でもSNSをやってみようじゃないか!という考えが出てきても、別に不思議では無い。自分が勤める会社でも2〜3ヵ月前から試行的にSNSが開設された。主な目的は開発技術/ノウハウなどの情報流通であり、社内で何か知りたいことや困っていることがあれば、お互いに助け合いましょう!という趣旨である。

結論を先に言うが、個人的にこういう形のSNSは上手く行かないと思っている。SNSとはコミュニケーション(遊び)の場であり、情報流通の場では無い。それにそもそも、数年前から本格的になった成果主義による評価と、社員同士の助け合いなんて、真向から矛盾するような気がする。隣席の社員と競争させておいて、でも「困っていたら助けてあげようね」なんて、口では何とでも言えるかもしれないが、ホントに心底困っている人のために何かしようと思えるものだろうか?・・・きっと困っている人のためというよりは、自分の成果のために情報提供するということになるのだろう。

上記は非常にネガティヴに思えるかもしれない。それは私がもともと職人的な職場に長く居たことによるものと思われる。職人の世界では自分の持っている技術を周囲に対して懇切丁寧に説明することはない。そう、技術とは習うものでは無く、盗むものと教えられている。これの意味は「お前は俺と全く同じようには出来ないはずだから、俺のやり方を見て自分なりにやってみろ」ということだと思っている。きっと非常に非合理的なやり方に見えるかもしれないが、職人とはそういう中で徐々に育っていく。

逆に最近の方法、とくにソフトウェア開発の世界では、技術的なことはすべて文書化されることになっている。これはある意味「職人的な」人を排除するかのような考え方だ。文書化出来ないようなものは(少なくとも組織にとって)管理すべき技術では無いということなのだろう。たとえば、ものすごくプログラムを作るのが得意で、生産性の高い、魔法使いのようなプログラマが居たとして、その人の技術レベルがホントに高いのであれば、そのノウハウを文書化して、周囲の人に横展開し、組織としてレベルアップすることが出来なければならない。そうなると、仮りにそれが出来なかった場合、その人が持っている技術や能力は全く評価されないことになる。組織のそういう方針が定着すると、社員は文書化出来ないような技術は誰も習得しなくなる。つまり技術や能力というのは管理するためにあるのであって、習得しなければならないという意識はどんどん無くなっていくであろう。

社内SNSに戻すと、上記のとおりノウハウというのは文書になっていなければならず、そうでなければSNS上で流通させることは出来ない。問題なのは組織の役に立つほどの技術なりノウハウなりを、忙しい業務中に書き込めるのか?という点だ。まるで一子相伝のような関係で仕事をしていても、なかなか伝わらないようなノウハウが、 SNSなどのツールを使えば上手く行くというのは、明らかにおかしい。組織としてはとりあえず目に見える対策をとらなければならないということでSNSをはじめたのであろう。それともうひとつは、メーリングリストなどと違って、SNS上ではノウハウの流通が行われているかどうかを観察することがかなり容易になるということなのだろう。

こういうような考え方は、技術やノウハウというものが職人にとって生きるための糧であるということを無視した、安易なやり方に思えてならないし、誰にでも実行可能なノウハウなんて気持ち悪くて仕方がない。きっと、そういうノウハウは誰も習得する気がしないし、すぐに忘れ去られる。誰だって文書化されているものを記憶したり習得したりしたいとは思わないだろう。

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